2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

■ 大晦日

忙しく立ち働く皆を横目で見ながら、 一人静かに溜まった仕事を一つずつ片付けていく。 気が付けば、時刻は二時をとっくに過ぎていた。 お腹が空いた。 有馬の「むら玄」で年越しのにしん蕎麦を食べる。 それにしても寒い。 昨年の秋、アパートの窓枠が鉄か…

■ 年の瀬

また今年も年末が来てしまった。 アトリエが散らかっている。 正月を迎えるにあたり、ちょっとだけ片付けることにした。 「四十を越えれば五年十年は束になって飛んでいく」、 と誰かが言っていたが、 まさしく、その通りであるなぁ・・・。 昔、父に凧の揚…

■ 新潟・その3

お世話になったEさんへのご挨拶を済ませ、 東京11:13発「のぞみ23号」で名古屋に向かう。 東京駅のプラットフォームは、 大きな荷物を持った帰省客で溢れかえっていた。 なんとなく殺気立った雰囲気が漂っている。 遠くで鋭い笛の音が断続的に聞こえ…

■ 新潟・その2

新潟の仕事はすべて上手くいった。 一時は頓挫しかかったプロジェクトであったが、 ここにきて、急に息を吹き返したかのように、 話はとんとん拍子に進み始めた。 しかし、ここに至るまでに、 実に三年という歳月がかかってしまっていた。 その責任は某コン…

■ 新潟

神戸から京都、 京都から富山、 富山から直江津を経由して柏崎に向かう。 列車が糸魚川に近づくにつれ、 後立山連峰、 いわゆる北アルプスの峰々が右側に見えてくる。 今から三十九年前の冬、 私が二十二歳の時、 まだ私が某企業に勤めるサラリーマンであっ…

■ 整理・その10・カイ・ボイセンの猿

「Kay Bojesen/カイ・ボイセン」の猿。 一八八六年、「カイ・ボイセン」はデンマークに生まれる。 もともと、「カイ・ボイセン」は、 あの「ジョージ・ジェンセン」の下で、 銀細工師としてそのキャリアをスタートさせたが、 一九三十八年、 「カイ・ボイセ…

■ Hさん

数年前、それまでの職を捨て、 Hさんはオートマタ作家になる道を選ばれた。 「オートマタの本場で勉強してくる」、 とイギリスに一年ほど留学されていらっしゃったのだが、 このほど、無事に帰国された。 今日、そのHさんとお会いする。 広島からわざわざ…

■ 忘年会・その2

「雨は夜更け過ぎに 雪へと変わるだろ」 「Silent Night Holy Night」 「きっと誰もこない」 「オッサンだけのクリスマスイヴ」 「Silent Night Holy Night」 というワケで、 某有名旅館のご亭主でいらっしゃるKさん、 照明デザイナーでいらっしゃるHさん…

■ 忘年会

今夜は神戸の職場の忘年会。 ビール、日本酒、焼酎、梅酒・・・。 夫々が好みの酒を注文して、まずは乾杯。 軍鶏鍋を囲んで宴会が始まる。 今年もいろいろな出来事があった。 しかし、過ぎてしまえばすべては思い出。 今年も残すところあとわずか。 一年が無…

■ 京都

リンさん、デーヴィッドさんご夫妻と、 京都駅前のホテルのロビーで待ち合わせる。 お二人がイタリアから来日されたのは一週間ほど前。 白川郷から名古屋を経由して京都にいらっしゃった。 明日は長野県の飯田に移動されるという。 天気が良ければ伏見稲荷に…

■ 散髪

咳がなかなか止まない。 大根の絞り汁でも作ろうか、と思っていたら、 Kさんが大根の蜂蜜漬けをアトリエに届けてくださる。 熱い湯で三倍ほどに薄めて頂戴する。 大根をカリカリと齧ってくいるうち、 身体がポカポカと温まってくる。 洗面所に立つと、 病み…

■ 金さん・張さん

韓国から金さんと張さんがいらっしゃる。 お二人には、 昨年の十一月頃に韓国の水原でお会いして以来であるから、 約一年ぶりの再会、ということになる。 「お久しぶりですね」、と言うと、 「来たくても来れなかった・・・」、というお答え。 訊けば、 金さ…

■ 風邪・その2

風邪がぶり返す。 昨晩は三十七度五分ほどの熱が出た。 熱があるのに寒気が止まらない。 「このまま死ぬのかな!?」、 とそう思うほど苦しかった・・・。 「九時に出社していなければ私の携帯に電話して欲しい」 「電話に出なければ、誰かアパートに来て欲…

■ 鰻と狼

「はい、十一日遅れのバースディ・プレゼント」、 と職場のYちゃんが大きな封筒を手渡してくれる。 Yちゃんとは久しく顔を合わせていなかった。 封を切ると、中から二枚の切り紙絵が出てきた。 左手(左前脚?)を腰にあて、 「プッハー」と煙草の煙を吐き…

■ GAULOISES

「ゴロワーズというタバコを吸ったことがあるかい」 「ほらジャン・ギャバンがシネマの中で吸っているやつさ」 「よれよれのレインコートのエリを立てて」 「短くなるまで奴は吸うのさ・・・・」 「かまやつ・ひろし」が歌っていた 「ゴロワーズを吸ったこと…

■ 吉兆

「吉兆が偽装件起こしたらしいな?」、と言うと、 「いったいいつの話してるんですか」、と笑われる。 新聞はとっていない。 テレビもほとんど見ないから、 世事にはとんと疎くなってしまった。 どうやら、佐賀の牛を但馬の牛と偽装したらしい。 ま、他にも…

■ mixi

私のことが「mixi」で取沙汰されている、 という話をSさんから聞かされる。 よくよく話を聞いてみると、 どうやら「mixi」には、 岡山と神戸、この二つの職場を去っていった 旧・職員たちの「場」のようなものがあるらしい。 「mixi」には誘われて参加した…

■ 整理・その9・ピーナッツ

翼長八インチまで、 つまり、二十センチまでの模型飛行機のことを 「ピスタチオ・スケール・プレーン」と呼び、 翼長十三インチまで、 つまり、三十三センチまでの小さな模型飛行機のことを、 「ピーナッツ・スケール・プレーン」と呼ぶ。 それよりも大型の…

■ 整理・その8・MILLE MIGLIA

イザール門からそう遠くない所、 イタリア・レストランに向かう道すがら、 あるインテリア・ショップで見つけた車のおもちゃ。 ガラス越しに見ただけなのだが、 すっかり気にってしまった。 店はとっくに閉店してしまっている。 で、ミュンヘンにお住まいの…

■ 風邪

とうとう風邪をひいてしもうた。 留守中に溜まった仕事を片付けていたため、 昨日はまだ意識もしっかりしていたが、 今日はもういけない・・・。 鼻水も収まらなければ、咳も収まらない。 頭が朦朧としている。 湯たんぽを用意し、 毛布を二枚重ねた間に身体…

■ ドイツ旅行・7日目

ベルリン発12:00のアリタリアAZ427便で、 ミラノ・マルペンサ空港に向かう。 飛行機がマルペンサ空港に到着したのは、 到着予定時間を十五分ほど過ぎていた。 ゲートAからゲートBに向かう途中、 いかにもイタリア人、という感じのオヤジが立って…

■ ドイツ旅行・6日目

ライプツィヒからベルリンに移動。 午後一時、待ち合わせたレストランで、 トーマスさんとセバスチャンさんにお会いする。 お二人は「ヴォイチェフ・クバシュタ」のコレクター。 今日はそのコレクションを見せてただくことになっていた。 トーマスさんが運転…

■ ドイツ旅行・5日目

今朝は六時に起床。 今日はザイフェンからマリエンベルク、 グリュンハインヒェン、そしてドレスデンを経由し、 ライプツィヒに移動しなければならない。 マリエンベルクもグリュンハイニヒェンも、 ザイフェンと同じ「Erzgebirge/エルツ地方」に位置する町…

■ ドイツ旅行・4日目

午前九時、 「Wolfgang Werner/ヴォルフガング」のアトリエを訪問。 あいにくヴォルフガングは留守であったが、 奥さんのウテが我々を歓待してくれる。 午前十時半、 「Christian Werner/クリスチャン」のアトリエを訪問。 クリスチャンは自宅から駆けつけて…

■ ドイツ旅行・3日目

今朝は早くに目が覚める。 手早く衣服を整え、 急ぎ足でビクトリアン・マーケットに向かう。 このマーケットのピクルス屋のピクルスは実に美味い。 胡瓜(?)のピクルス三本を一ユーロ也で購入し、 ポリポリと齧りながらホテルに向かう。 八百屋の店頭に真…

■ ドイツ旅行・2日目

糸操り人形の名手でいらっしゃるIさんらと連れ立ち、 シナゴーグ近くのシュタット・ミュージアムに出向く。 シュタット・ミュージアムの三階には、 古今東西の人形劇用の人形が展示されているのだが、 「日本から来た」と告げると、 学芸員らしき老人が特別…

■ ドイツ旅行・1日目

午前九時、関西空港に向けて車を走らせる。 六甲山から関西空港までの距離は約百キロ。 時間にして九十分ほどの距離でしかない。 空港の駐車場に車を預け、 13:55発アリタリアAZ795便に乗り込み、 ミラノ・マルペンサ空港に向かう。 マルペンサ空…

■ 風の便り

今から三十二年前のこと。 仕事に行き詰まりを感じ、 青山通りをトボトボと歩いていた時、 青山三丁目の交差点でOさんとバッタリと出会うことがあった。 Oさんはそれまで勤めていた会社を辞められ、 新しく会社を立ち上げられたばかりの頃だった。 「久し…