2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

■ 昔話

ポケットの中には、八枚の十円玉しか入っていなかった。 その八十円の所持金で煙草を買うか、 晩ご飯を食べるか、 それとも画用紙を買うか、と大いに悩んだ日があった。 今から四十三年前のこと。 二十本入りのハイライト(煙草)が八十円、 一皿のカレーラ…

■ 空き缶とフィルム・ケース

パイプ煙草の空き缶、ケーキの空き缶、 キャンディの空き缶、靴クリームの空き缶・・・。 私はいろいろな種類の空き缶を集めているが、 愛らしい花柄の空き缶などはサッサと処分することにしている。 空き缶なら何でもいい、というワケではない。 「シンプル…

■ W55TとA5528K

大正十四年生まれの母は、 今年の五月に八十三歳の誕生日を迎える。 まだまだ元気でいてくれてはいるが、 耳が少し遠くなってきた。 また、足腰も少し弱ってきたように感じられる。 私は留守勝ちであるし、 妻も一人で出かけなければならないことがある。 で…

■ 抜き打ち

K大学の教育学部に講義に出かける。 講義を終えた後、 馴染みの「お好み焼・浅井」に向かう。 この店の名物であるオムソバは本当に美味い。 焼きソバをオムレツのように卵で包んだ食べ物。 熱いオムソバをハフハフと頬張っているうち、 言い様のない不安に…

■ カストロ

カーテンを開けると、 窓の外では雪が深々と降っていた。 どうりで冷えるはずである。 胸元まで炬燵に潜りこみ、 ドキュメンタリー映画「CASTRO/カストロ」を観る。 もともと、キューバはスペインの植民地であったが、 今から約百十年ほど前に起こった、 い…

■ 早く・・・

昨日まで、アパートに妻と母がやって来ていた。 二人とも無類の世話焼きであるのは結構なのだが、 「温かいうちに早くご飯を食べろ」とか、 「湯が温かいうちに早く風呂に入れ」とか、 「いつまでも起きていないで早く寝ろ」とか、 うるさいったらありゃしな…

■ 整理・その21・600 Black Spots

「David A Carter/デーヴィッド・A・カーター」の新作。 「カーター」は過去に四十種ほどのしかけ絵本を発表しているが、 この「600 Black Spots/くろまるちゃん」は、 「One Red Dot/あかまるちゃん」 「BLUE 2/あお2ちゃん」に続く、 「geomerical/幾何学…

■ 整理・その20・kunst ein kinder spiel

今月の八日、 ミュンヘンにお住まいのHさんから頂戴した 「kunst ein kinder spiel」。 日本語に訳すと、 「芸術/子どもの遊び」ということになるのかな・・・。 あの、プリズムを通して描いたような画で有名な 「Lyonel Feininger/リオネル・ファイニンガ…

■ 保育園

「積み木の遊び方を教えて欲しい」という。 積み木に遊び方のマニュアルなどないし、 積み木の遊び方など子どもに任せておけばいいのだが、 古くからの知り合いである保育主任の依頼であるから、 そう突慳貪に突き放すワケにはいかない・・・。 そんなワケで…

■ Kneipp/クナイプ

ニュールンベルクのスーパーマーケットで買った 「Kneip/クナイプ」の入浴剤を入れた風呂に入る。 蓮と牛乳の香りがする入浴剤。 とてもいい匂いがする。 蓮の花の香りなど嗅いだこともないが、 これが蓮の花の香りだとすれば、 死後、天国で暮らすのもそう…

■ シフト・ダウン

昨夜も十センチほどの積雪があった。 凍てついた雪の上に新雪が降り積もっている。 山では表層雪崩が起きるに違いない。 このような日は車の運転もし辛いものがある。 事故を起こさないよう、 二十キロから四十キロの速度を保ちながら、 慎重に車を麓に向か…

■ 雪

今日から岡山の職場に出勤。 あまりにも雪深い場所に位置しているため、 冬期間は雪の少ない場所に移動することにしているのだが、 それにしても、今日の寒さといったら。 午後六時、仕事を終え、 四十キロほど離れた自宅に向かう。 国道429号線を左折し…

■ バレンタイン

重要な打ち合わせのため、 新潟からSさん、 東京からはTさんとKさんがいらっしゃる。 午後四時、打ち合わせを始める。 打ち合わせの内容はあらかじめ通知済みであり、 いずれ劣らぬ百戦錬磨のビジネスマンであるから、 惑うところなどはどこにもない。 打…

■ ドイツ土産

午後、関西空港から送った旅行鞄が職場に届く。 書類や書籍を整理した後、 土産物を一つ一つ机の上に並べてみる。 三十センチのスコヤ、塗装用刷毛、 木彫用の木槌に、「Ponal」の木工用接着剤。 ミュンヘンのホームセンターで購入したものだが、 これらは木…

■ ドイツ出張・五日目

五時少し前に目が覚める。 今朝はSバーンで空港に向かう予定でいたが、 鞄を持ったところ、腕が痺れるほどに重い。 来る時には十二キロほどの重さであった重量が、 ほとんどその二倍ほどに嵩が増えているように感じられる。 機内持ち込み用のリュックサック…

■ ドイツ出張・四日目

今朝も午前五時に起床。 歳をとると、どうにも眠りが浅くていけない。 ロビーでH君と待ち合わせていたのだが、 七時を過ぎてもロビーに現れる気配がない。 今日は八時二十分発のICEに乗らなければならない。 どうやら、まだ眠っているようである。 館内…

■ ドイツ出張・三日目

五時に起床。 ミュンヘン中央駅のキオスクで、 プリッツェルとコーヒーの簡単な朝食をすませ、 七時二十分発のICEでニュールンベルクに向かう。 毎年二月、ニュールンベルクでは 「INTERNATIONAL TOY FAIR」が開催される。 世界中のおもちゃのメーカー、 …

■ ドイツ出張・二日目

午前八時半、 ホテルのロビーで、 Gさん、ハフナーさんと合流し、ザルツブルクに向かう。 ザルツブルクまでの距離は約百八十キロほど。 アウトバーンを利用すれば、一時間半ほどの距離でしかない。 午前十一時、 「SALZBURG MUSEUM/ザルツブルク博物館」を…

■ ドイツ出張・一日目

関西空港10:40発 ルフトハンザ741便でフランクフルトに移動。 フランクフルト17:45発 ルフトハンザ978便でミュンヘンに移動。 空港からはタクシーでローゼンハイマープラッツに向かう。 ホテルには午後七時半に到着。 日本時間では八日の午…

■ 整理・その19・Kegel/Trichter

建築家として知られる、 「HUgo Kuekelhaus/フーゴ・キューケルハウス」が その生前にデザインしたという独楽を入手する。 近年になり、 「キューケルハウス」の家族が商品化したモノであるらしい。 直径十五センチ、厚み四ミリの白い板に、 直径一センチほ…

■ ドイツ出張

明後日からドイツに出張。 10:40発「ルフトハンザ741便」でフランクフルトに移動。 フランクフルトには15:10着の予定。 約十二時間三十分のフライト。 入国審査等を済ませ、約二時間半ほどの待ち合わせの後、 「ルフトハンザ978便」でミュン…

■ 整理・その18・JUBA

三年前、愛知万博のスイス館で買い求めた 「naef/ネフ社」の「JUBA/ジュバ」。 もともと、「ジュバ」は一九八二年に スイス「ネフ社」から発表されたおもちゃであったが、 いつの間にか、その姿は市場から消えていた。 確か、発表されたばかりの頃には、 菩…

■ 整理・その17・HAMPELMANN

ローマの博物館に保管されていたモノを、 ミュンヘンの「Franz Josf Holler/ホラー社」が 一九七九年に復刻した「HAMPELMANN/ハンペルマン」。 両手と両脚を割りピンで胴体にゆるく固定し、 垂れ下がった紐を引っ張ると、 人形の両手と両脚がまるでジャンプ…

■ 講義・十二日目

今日はK芸工大における講義最終日。 学生たちにはこれまでに五つの課題を課してしたのだが、 五つの課題をなんとかこなした学生は少なかった。 こなした、と言っても、 最終課題はまだ中途半端な仕上がりのままであった。 大作に取り組んでいる学生もいれば…

■ 右回り・左回り

三年前、次男のSがイタリア料理の店を持った時、 その開店祝いに作ってやった振り子時計。 古物商から昭和初期に作られた振り子時計を買い求め、 ボロボロに腐っていた箱を作り直した。 イタリアの国旗の色をなぞり、 箱の内側を赤、時計の短針と長針を白、…