■ パイプ

aquio2004-08-29

若造であった時代、
若気の至りでパイプを購入したことがあった。
紫煙を燻らしていることを気取っていたが、
その姿を鏡に映した時、
その貫禄のなさと薄っぺらさに気が付いた。
「若造が何を気取っているんだ!?」と、
顔から火が出るほどの恥ずかしさを覚えたことがあった。
あれから三十年あまり。
髪にも白いものが混じる歳になった。
「そろそろいいかな!?」と、
昔に買ったパイプを専門店に持ち込み修理を頼む。
「S.T.DUPON/デュポン」のパイプ。
若造には高価すぎるほどのパイプだった・・・。
ついでにショート・スモーク用のパイプを一本購入する。
修理を終えたパイプが手許に戻ってきたのは二月の初めころ。
従って、
六ケ月ほどパイプをもてあそんでいることになる。
パイプに限らず、
道具は使っているうちに身体に馴染んでくるものである。
道具が人に馴染む場合もあるし、
人が道具に馴染む場合もある。
どちらにしても、馴染むにはそれ相応の時間がかかる。
気取りがあるうちは、
まだまだ板に付いていないということなのだろう。
紙巻煙草をふかす時のように、
いつか、パイプを自然に扱える日が来るのだろうか・・・。