■ 大人のお洒落

aquio2004-09-03

一世を風靡したヴァン・ジャケット。
その創業社長でいらっしゃった
石津謙介」さんの著書
「大人のお洒落」を持って新潟に出かける。
今から20年ほど前のこと、
あるホテルの玄関で、
タクシーの順番を待っていた私の前に
一台のホンダ・シティが止まった。
その国産のファミリー・カーから降りていらっしゃったのが
石津謙介さんだった。
ポカンと口を開けているドア・ボーイにむかって、
「車を頼むよ」と一声かけて石津さんは中に入っていかれた。
自信にあふれた大人の姿を見る思いがした。
一流といわれるホテルの玄関に
国産のファミリー・カーで乗りつける・・・。
自分を表現する術をいくつも持っている人だからこそできるワザ。
その時の出来事はこの本の中にも書かれている。
今から三十年ほど前のこと、
石津さんの愛車は小豆色をしたベンツであったと記憶している。
いつも青山通りに面した駐車場に停めてあったが、
そのベンツはいつも泥だらけであった。
ある日、
ヴァン・ジャケットの社員がそのベンツを綺麗に洗ったことがあったらしい。
ま、社員がゴマを擂ったのだろうが、
「高級車をピカピカにして乗るのは粋じゃない」と、
その社員は石津さんに大目玉をくらったという話を聞いた憶えがある。
「粋」とは何か?
「色気」とは?
「大人」とは?
「大人のお洒落」はいつもそのことを示唆してくれる。