■ 朱雀門

aquio2004-10-01

奈良の西大寺市から帰る。
会議場は「平城宮跡」のすぐ近くだった。
窓から復元された「朱雀門」が見える。
退屈な会議を早々と抜け出し、
修復工事が進行中の「大極殿」から
朱雀門までの散策を楽しむ。
台風二十一号の影響が残っているのか、
風が結構強い。
朱雀門の四隅に釣り下げられた「風鐸」が揺れて、
物悲しい音をたてている。
朱雀門を飽きずに眺めていると、
地元の郷土史家らしき老人が声をかけてきた。
老人の話によると、
風鐸は魔除けとしての意味があり、
風鐸の音が聴こえる範囲、
そこに住む人々は様々な「魔物」や「疫病」から
護られる・・・という意味があったらしい。
朱雀門から大極殿までの距離は目測で約七百〜八百メートル。
大極殿にまで風鐸の音は聞こえていた。
それにしても、よくこれだけの壮大な門を・・・と、
天平の工人たちの、
その技術に想いをめぐらす。