■ 台風一過・その2

aquio2004-10-21

「TOKAGE」と名付けられた台風二十三号は、
各地に風水害による深刻な被害をもたらして去った。
台風といえば、
昭和三十四年の「伊勢湾台風」のことを思い出す。
台風の襲来と満潮が重なったため、
伊勢湾では二時間で四メートルも潮位が上がり、
高さ五メートルの堤防の上から
海水が市街地になだれ込んだ・・・。
各地の被害を伝える、
緊迫したラジオ放送の内容を今でも鮮明に覚えている。
全国の死者四千六百名あまり、
行方不明者四百名あまり・・・・。
未曾有の大災害だった。
当時、中学校の山岳部に所属していた私は、
登山靴を履き、
ヤッケを着込んで雨戸を内側から必死に押さえていたが、
室内が急に明るくなるとともに、
物凄い勢いで雨が頭上に降りかかってきた。
天井を見上げると、
屋根の瓦のほとんどが吹き飛ばされていた。
台風一過。
近くの公園に放心の態で集まった、
近所の人々の顔が記憶に強く残っている。
山里の秋は一雨ごとに深まっていく。
そろそろ囲炉裏に使う炭を用意をしなければ・・・。