■ ひっぱりだこ飯
東京から帰る。
月に一・二度は仕事を抱えて東京に出かける。
「のぞみ」に乗れば,
新神戸から東京まで二時間五十分。
私が初めて新幹線に乗ったのは、
今から約四十年前。
東京オリンピックが開催された翌の年のこと。
東京・大阪間を「ひかり」は三時間十分で走った。
そのあまりの速さに感激を覚えたことを思い出す。
「新幹線に毎日乗りたい!」。
「大阪と東京を行き来する仕事に就きたい!」。
子ども心に、そう望んだものだった・・・。
一昨日も「ひっぱりだこ飯」を買ってのぞみに乗り込む。
お気に入りの駅弁。
「蛸壺」を模した陶製の器の中に、
蛸の味が染みたご飯と具がたくさん入っている。
車窓の景色を眺め、ビールを飲んでいるうち、
いつもウトウトと眠りにおちる・・・。
気が付けば横浜。
いつも、
神戸・東京間はわずか一時間ほどの距離でしかない。