■ 形見

aquio2004-12-05

父の形見の腕時計。
四十七年前の「 RADO GREEN HORSE 」。
初期の自動巻タイプ。
今も立派に動いてくれてはいるが、
一日に必ず五分は進む。
オーバーホールに出したところ、
部品が無いから直せないと、
今朝、以前のままの状態で戻ってきた。
今日も午前十一時に時刻を合わせたはずなのに、
もうすでに二分ほど進んでいる。
きっと、せっかちだった父に似たのだろう。
私が死ぬ時、
三人の息子たちには何を残していけるのだろう・・・。
時計を眺めながら、
フッと、そんなことを想う。