■ 増税

aquio2004-12-18

田舎に三十年も住んでいると、
日本の行政の縮図が見えてくる。
A村に「ゲートボール場」が出来ると、
隣のB村にも
立派な屋根付きのゲートボール場ができる。
建築費は二億円。
建設を強要したのは地元の老人クラブだが、
出来上がってこのかた、
この施設でゲートボールに興じる
老人の姿を見たことは数度しかない。
C村を縦断する国道に「道の駅」ができると、
隣のD村にも同じような施設が出来る。
建築費は二十五億円・・・。
この施設は毎年一億円の赤字を垂れ流している。
その赤字は税金で補填される。
D村の隣のE町には、
冷泉を温泉と偽った「クア・ハウス」が完成する。
総工費は五十億円。
利権をめぐって役場の課長が自殺し、
土建業者が逮捕されるという騒ぎにまで発展する。
それらの施設には、
役場を定年退職した役人が所長として赴任することが多い。
役人の・役人による・役人のための行政。
議会で十分な審議がなされないまま、
税金が湯水のように使われてきた。
裏で甘い汁を吸ってきたのが地元の土建業者。
そしてその土建業者が議会を牛耳っている・・・。
地方自治体の経済はとっくの昔に破綻している。
その元凶は、
地元住人の行政に対する
ユスリ・タカリ・アマエに因るところも大きいのだが、
税金の無駄遣いを放置・承認してきた
関係各省庁の責任はどうなっているのだろう・・・。
関係省庁の反省の弁が聞こえてこないまま、
来年度から「増税」が実施されようとしている。