■ 獅子口

aquio2004-12-25

著名な能面師であった故・鈴木能仁さん。
その能仁さんの弟子のSさん宅を訪問。
能仁さんの作品を見せていただく。
素晴らしい・・・。
能は、
面を上下に動かして微妙な感情を表現する。
これを「照らす」「曇らす」と言う。
ノミの痕が残る、
この「獅子口」を曇らせた時の迫力を
いったいどのように形容したらいいのだろう。
使い古されて、
手垢のついた言葉などでは到底表現しきれない・・・。
この獅子口の制作途中、
能仁さんは病に倒れられたらしい。
彼の作品の多くは大英博物館に収蔵されている。
Sさんに、
イギリスやフランスにおける能面展の
ポスターも見せていただく。
能仁さんが打たれた面も素晴らしいが、
写真もまた素晴らしい。
ポスターの隅に写真家の名が小さく印刷してあった。
面の写真を撮ったのは、
なんと、私の従兄弟であった。
その従兄弟も十年前にこの世を去っている。
きっと何かの引き合わせなのだろう・・・。
Sさんから三枚のポスターを頂戴する。