■ 醜悪

aquio2004-12-30

東京から帰る。
東京はひどい雪だった。
東京駅舎の片隅にあるレストラン、
「DA CIBO」で夕食を摂って新幹線に乗り込む。
東京に出かけた時のいつもの習慣。
この店のピザはなかなか美味い。
昨日はイタリアのビール「メッシーナ」と、
「ロマーナ」と名付けられたピザを注文。
食後のコーヒーを飲みながら
パイプの香りを楽しんでいたら、
隣席に座っていた外国の若者が声をかけてきた。
「私はポーランドからやって来ました」
「日本にやって来て一年が経ちます」
「名前はJです」
「パイプを嗜む日本人を初めて見ました」
「貴方の煙草はとても良い香りがします」
「私もパイプを嗜みます」
「私はいつもバニラ・フレーバーを好んで吸っています」
「貴方の吸っている煙草は何という銘柄ですか」。
まあ、要約するとそのような質問。
なかなかに礼儀正しい好青年。
「メーカーはアイルランドのピーターソン」
「銘柄はアイリッシュウイスキー
ウイスキーの味と香りがしてとても美味い」。
そんな会話を交わしていたら、
先ほどまで
「いや〜ん、も〜っ、Jったらぁ〜」と、
恐ろしいほどの猫撫で声を出していた日本人の女が、
恐ろしい顔で私を睨みつけていた。
「Jと私の大事な時間の邪魔をしないで!」、ということなんだろう。
どうして同じ会話の中に入ろうとしないのだろうか・・・。
声をかけてきたのはJ君の方だぜ、と思いながらも、
面白いから邪魔をしてやることにした。
彼女の整った顔がどんどん醜悪なものに変化していった。
世間には怖い女がいるものである・・・。