■ 黒糖キャラメル
岡山からの帰り道、
甘いものが無性に食べたくなり、
サービス・エリアでキャラメルを物色する。
「グリコ・キャラメル」にするか、
「森永ミルク・キャラメル」にするか、迷う。
どちらも懐かしく捨てがたい・・・。
私が子どもであった時代、
どちらのキャラメルも十円で売られていた。
箱の中にはキャラメルが十個入っていたが、
ある時、
グリコだったと記憶しているが、
箱の中にキャラメルは八個しか入っていなかった。
「おっちゃん、キャラメルの数が少ないねん」と、
菓子屋に苦情を持ち込んだことがあった。
「ぼん、それはなぁ、値上げやねん」
「なんでぇ?、値段は十円のままやんか」
「あのな、今までは十円で十個入ってたやろ」
「うん、一個が一円や」
「でな、今度は十円で八個しか入ってないやろ」
「うん・・・」
「ほんなら、一個の値段はなんぼになる?」
「ウ〜ン、分からへん。そやけど八個しか入ってないやんか」
ま、そんな遣り取りがあった後、
菓子屋の親父は根負けしたのだろう、
私の手にキャラメルの粒を二つ握らせてくれた。
私が子どもであった時代の懐かしい思い出。
キャラメルを選びながら、
そんなことを思い出していた・・・。
迷った挙句、「森永・黒糖キャラメル・大粒」を買う。
子どもの時代に齧った黒砂糖の味がする。
とても懐かしい。
とても甘い。