■ 殺意

aquio2005-01-29

深夜二時頃、眼が覚める。
表で誰かが大声でわめき散らしていた。
車のアイドリングの音も聞こえてくる。
どうやら、
友人の部屋を訪れていた息子を、
その母親が迎えにきているようだった。
「いったい何時だと思ってるんだよ」と、
窓から表を覗いてみたら、
肥満しきった中年の大女が、
煙草を右手に、仁王立ちしていた。
さっさと寝ようとしたが、
「帰れ」「帰らない」の大声のやりとりが
窓の外で三十分ほど続く・・・。
馬鹿親と馬鹿息子、
この親にしてこの子あり・・・。
次第に「殺意」が芽生えてくる。
自分の中に
危険な感情が潜んでいることを自覚する。
すっかり眼が覚めてしまった。
ストーブに火を着け、
コーヒーを沸かす。
手近にあった段ボール箱に絵を描いているうち、
息子が開業するイタリア料理店の、
その壁面を飾る絵が一点出来上がる。
久しぶりに徹夜をしてしまった。