■  オートマタ・その5/個展

aquio2005-03-01

「ファーラ・サビーナ」にある
「MODERN AUTOMATA MUSEUM」から
作品の製作依頼を受けたのは、
イラク戦争が始まったばかりの頃だった。
ファーラ・サビーナはローマの近く。
最高品質のオリーブ・オイルを
産出することで有名な町。
どこかで誰かが利益を得る戦争はあっても、
正義のための戦争などあった例はない。
金儲けのために、
正義という言葉を利用しているに過ぎない。
オートマタを通じて戦争に反対しようと、
館長の「グイド」さんの呼びかけに応じて、
展覧会には
世界中のオートマタ作家が参加した。
ドイツの「WALTER RUFFLER」は、
爆撃機に跨がったブッシュのオートマタを作り、
イギリスの「ANDY HAZELL」は、
ミサイルを乗りこなすカウボーイを製作した。
「KEITH NEWSTEAD」は、
死体をもてあそぶ独裁者のオートマタを作った。
その「オートマタによる戦争反対展」に、
私はこの「 REQUIEM 」を出品した。
ハンドルを回すと、
黒い仮面を着けた傴僂の男が、
戦争で命を奪われた人々のために
鎮魂の鐘を鳴らす・・・。
三月十九日からの個展にも出品するつもり。