■ 雑器

aquio2005-03-15

二個のワイン・グラスと
二個のリキュール・グラス、
そして、二個のタンブラー・・・。
長年愛用してきたものだが、
息子の門出を祝ってプレゼントすることにした。
ワイン・グラスとリキュール・グラスは
「船木倭帆/ふなき・しずほ」さんの作。
船木さんが「九州民芸村」にいらっしゃった頃のもの。
二十年ほど前のことになるだろうか、
民芸村の戸棚の中にしまわれていたものを、
無理を言って頂戴してきた。
ひょっとしたら、船木さんの試作品であったのかも知れない。
当時、船木さんのお名前は知らなかったが、
薄暗い戸棚の中でこれらのグラスの出来映えは他を圧倒していた。
タンブラーは、「小谷真三」さんが作られたもの。
三十五年前、倉敷の土産物屋で購入したのだが、
あの「バーナード・リーチ」が、
「上手でもなく 下手でもない」
「いやしくなく 気品があって」
「しごくあたりまえにできていて たいへんよろしい」と、
そう、絶賛したタンブラーであったとは知らなかった。
いろいろな土産物に混じって売られていた。
著名なガラス職人が作ったもの。
割れてしまえば二度とは手に入らない。
しかし、日常に使わなければ意味がない。
日常に使わなければもったいない・・・。
ワイン・グラスもゴブレットも、普段使いの雑器であると思う。
ただ、
モノの価値が解る人に使ってもらえれば、ガラスたちも喜ぶのではないだろうか。