■ 片手の文化

aquio2005-03-19

今日から
神戸トア・ロードの画廊で個展が始まる。
連休だからか、
大勢の観光客が画廊の前を歩いていく。
アイスクリームを舐めながら、
洟垂れ娘が画廊に入ってくる。
火のついた煙草を持った若造が入ってくる。
自分の作品を芸術とは思ってもいないが、
それが、
人の作ったモノと対峙する時の姿勢かと、
腹が立つ。
片っ端から入場を断る。
トイレから戻ってくると、
大勢のババアどもが片手で作品を弄りまわしていた。
ババアというのは、
花も恥じらう乙女の時代もあったであろう人のこと。
「作品には手を触れないで欲しい」、
そう丁重に告げると、
「触るなとはどこにも書いていない」
「触っていけないものなら並べるな」と、ぬかす。
言葉が通じない・・・。
人間の姿を借りた別の生き物のように思える。
近くのレストランで昼食をとる。
ほとんどの客が片手で食事をとっていた。
行儀が悪い。
見苦しい。
これはもう立派な日本の文化と呼べるのではなかろうか。
「片手の文化」。
そのうち、
両手で食事をとる人間は
「珍獣」のような扱いをされるかも知れない。
食事の後、
近くの神社を散歩する。
境内の梅は満開であった。
梅を見上げながら、
参拝に訪れていた老夫婦と会話を交わす。
尖っていた気分がとても和らぐ。