■ 同窓会

aquio2005-04-21

若い頃、
ある商店でアルバイトをしていたことがある。
十九歳から二十一歳までの間。
この商店のS社長には
物心両面の支援を受けた。
失敗してはよく怒鳴られたものだった。
昨夜、
その商店でアルバイトをしていた連中の同窓会があった。
会場は、
商店一の暴れん坊であったAが経営するお好焼き屋。
歳とともに毒気が抜けたのだろう、
Aはすっかりいい親父になっていた。
九名ほどの仲間が集まる。
焼き鳥屋の親父に収まっているO。
梅田のファッション・ビルで洋品店を経営しているU。
なかなか儲けているらしい。
親父の後を継いで鉄工所を経営しているU。
嫁さんに三行半を突き付けられて意気消沈しているY。
こいつは若い頃から女運の悪い奴だった。
「あんな男と別れてサバサバしたわ」と、
今も威勢のいい姉御肌のK。
皆、それぞれの人生を懸命に生きていた。
そして、
M社長は、八十歳になられていた・・・。
あれだけ怒られたのに、
社長を慕って今もこれだけの連中が集まる。
人を感化する人格の力・・・。
人徳のある人とは、
このような人のことをいうのだろう。
楽しい夜だった。