■ 打算

aquio2005-04-25

T「アンタさぁ、女を愛したことあんの?」
私「ヘッ?薮から棒にいったい何でんねん?」
T「だからさぁ、女を愛したことがあるのかって、
  そう訊いてるのよ!」
私「はぁ、何度かおますけど・・・」
T「じゃぁさぁ訊くけど、愛っていったい何よ?」
私「エッチすることでっか?」
T「バッカじゃないの!」
私「冗談でんがな」
T「愛って言葉を別の言葉に言い換えてごらんよ!」
私「??????」
フランクフルトに向かう飛行機の中での会話。
七年ほど前の冬のこと。
その時の会話の一言一句を今も鮮明に覚えている。
Tさんは著名な教育家。
私の姉貴分にあたる。
恐いものが無い私だが、Tさんだけは恐い。
お会いする度に小言を頂戴する。
私「Tさんの考える愛って何でっか?」
T「誠意を尽くすってことよ!」
私「フ〜ム・・・」
T「どう、女に誠意を尽くしたことってある?」
私「自信おまへん・・・」
T「つまり、無いってことね!」
私「・・・・」
「愛とは誠意を尽くすこと」。
いつかこのフレーズを使ってみたいと思ってた。
Kが相談にやって来る。
土産に好物の「ジェリー・ビーンズ」を貰う。
今朝、同じ銘柄のジェリー・ビーンズを買ったばかり。
Kには好きな男が二人いるらしい。
AはIT関連の企業に勤める男で、
すでに自分名義の家を持っているらしい。
Bは普通の企業に勤める普通のサラリーマン。
どちらかと言うと、
KはBの方が好きであるらしいが、
生活のことを考えると、心はAの方に傾くのであるらしい。
「お前は生活のために結婚するんか?」
「愛とは誠意を尽くすというこっちゃ」
「誠意を尽くせると、そう思う男と結婚するこっちゃな」、とKに告げる。
Kは悩んでおったぞ。
ワハハハ、悩め悩め。