■ THE CITY PARK

aquio2005-05-11

私が「POP-UP BOOKS/ポップ・アップ・ブック」、
いわゆる「飛び出す絵本」の収集を始めたのは
今から約三十年ほど前のこと。
長野県松本の書店で購入した
「HIDE AND SEEK/COUNTING BOOK」が最初だった。
次に買ったのが、この「THE CITY PARK」。
現在では数えきれないほどの
ポップ・アップ・ブックが出版されているが、
なかなか素晴らしいデザインのモノには出会わない。
それでも二百冊程度は集まっただろうか・・・。
昨日、
ポップ・アップ・ブックを集めていらっしゃる
Kさんからメールを頂戴する。
Kさんはパッケージ・デザイナーでいらっしゃるとか。
パッケージ・デザインとポップ・アップ・ブック・・・。
どこか共通する要因があるように思える。
「THE CITY PARK」が初めて出版されたのは一八八七年のこと。
約百二十年ほど前のミュンヘンに於いて出版された。
「THE CITY PARK」をデザインしたのは、
ポップアップの父と呼ばれる「ロタール・メッゲンドルファー」。
私が松本で入手したのは、
ニューヨークの「THE VIKING PRESS 社」が
一九八一年に再版したものだった。
本を開くと、
型抜きされた十四枚のイラストが蛇腹状に繋がって出てくる。
十四枚のイラストを横一列に並べると、
その長さは優に三メートルを超える・・・。
最初の頁には、
帽子を差し出しているストリート・オルガン弾きと、
金を与えようとする裕福そうな紳士の姿が描かれている。
次の頁には、
傘を持ち制服を着た女の子たちの一群と、
切り株に腰をかけた退役軍人らしき老人が描かれている。
十四枚のイラストを蛇腹状に立てて並べ、
背を低くして覗き込むと、
そこに「THE CITY PARK」の風景が現れる・・・という仕掛け。
当然、そこには百二十年前のドイツの風俗や風習が描かれている。
言葉でこの本の素晴らしさを伝えるのはとても難しい。
ぜひ現物をお見せしたいと思うが・・・。
折をみながら、
この日記でコレクションを順次お見せしていきたいと思う。