■ WOLFGANG/ヴォルフガング

aquio2005-05-12

新神戸着午後十二時四十一分の新幹線で
「ヴォルフガング」が
「SEIFFEN/ザイフェン」からやって来る。
約十五ヶ月ぶりの再会。
お互いほんの少しだけ歳をとった。
奥さんのウテさんは相変わらず美しい。
二人の子どもは十九歳と二十一歳になっていた。
新神戸から有馬に移動し、
有馬玩具博物館を案内する。
この博物館の六階には、
クルミ割り人形や煙出し人形といった、
「エルツ地方」で作られるおもちゃが
約二千点ほど展示されている。
夜は職員たちとともに鍋を囲む。
ヴォルフガングは日本酒がいたく気に入った様子。
夙川の宿までお送りして、
先ほどアトリエに戻ってきたところ。
今日は少し疲れた・・・。
ヴォルフガングから彼の新作のおもちゃを頂戴する。
磁石の力でいつまでも揺れ続ける「振り子人形」。
明日は私の自宅に招待するつもり。
午後三時頃に神戸を出発する予定。
雨が降らなければいいのだが・・・。
ヴォルフガングは「WOLFGANG」と綴る。
「狼が行く」とか、「狼の道」といったような意味だが、
ガングは日本語の「玩具」に通じるところから、
五年ほど前、「狼玩具」の印鑑をプレゼントしたことがあった。
今、彼はドアに「狼玩具」とペイントした車に乗っているらしい。
「何と書いてあるのか?」というザイフェンの住民の問に、
「私のアトリエでおもちゃを買うと三割値引きします」
そう書いてあると、
彼はいつも説明しているらしい。