■ DEVIL’S HOLIDAY

aquio2005-05-14

ヴォルフガングを職場の玄関で見送る。
今日は姫路城、明日は京都。
明後日のルフトハンザでドイツに帰るらしい。
車が遠ざかり、
お互いの姿が見えなくなるまで手を振る。
山ほど溜った仕事を片付けようと、
そうは思うが、
なんだか何も手につかない・・・。
Eにもらったパイプ煙草、
「DEVIL'S HOLIDAY/悪魔の休日」に火を着ける。
缶の裏側には、
バージニア葉にキャベンディッシュを加え、
森で採れた木の実をブレンドしたパイプ煙草。
「地獄のように優しく・天国のように甘い」と書いてある。
甘酸っぱい香り・・・。
「杏」ではないだろうか。
なんとも怪しい雰囲気を漂わせる香りではある。
深夜にこそ似合うような香り。
濃厚な情事の後、
寝息をたてる女の背中を見ながら煙を燻らせる。
汗と体液の臭いが満ちた部屋に、
甘酸っぱい香りが静かに漂う・・・。
そんな情景が似合いそうな香り。
地獄のように熱く、天国のように甘い情事。
ちょっと危ない・・・。
あぁ、朝から何を想像しているのだろうか・・・。
仕事に出かけるフリをして、
馴染みの店でコーヒーでも飲んでこよう。