■ 矜持

aquio2005-05-23

二ヶ月ほど前、息子の店の開店を祝って
いくつかのカラクリ人形を作ってプレゼントした。
昨夜、その店のスタッフから連絡が入る。
「カラクリ人形が一つ盗難にあった」
「カラクリ人形の一つが破損している」
「陶器の人形の指が欠けてしまっている」という連絡。
盗難にあったカラクリ人形は私の自信作でもある。
一番出来の良いカラクリ人形を持ち帰るとは、
なかなかの目利きではないか・・・。
レストランという衆人環視の中でモノを盗むとは、
なかなかの腕前ではないか・・・。
素人のままにしておくのは勿体ないような気がする。
怒りの矛先が見つからない。
性根の腐った人間の行動に腹を立てても仕様が無いと、
すっきりと諦めることにした・・・・。
今朝は今朝とて、
道路端のカキツバタを引っこ抜いている
年輩の女性達の集団に出会う。
鉄条網の向う側に咲く花を盗ろうとして、
足を踏んばり、腕を精一杯に伸ばしておったぞ・・・。
なんと情けない姿であることか。
ジッと見ながら通り過ぎようとしたら、
「お華の教室に使おうと思って・・・」と言う。
極りが悪かったのだろう・・・。
日本人の矜持はどこにいってしまったのだろうか。
「日本人というのは、白人になろうとして
 結局は白人にも日本人にもなれなかった人種だ」と、
誰かが言ってた・・・。