■ Sのバラ

aquio2005-06-19

昨夜から岡山のH村に帰ってきている。
わずか六日ほどの間に、
山里の緑はすっかり色濃くなっていた。
玄関先のバラも咲きだした。
二十二年前、
三番目の息子の誕生を記念して買ったバラ。
バラの品種は忘れてしまったが、
我が家では「Sのバラ」と呼んでいる。
Sは息子の名前。
長野県から岡山県に引っ越す時、
小さな切り株を植木鉢に移植して持ってきた。
生命力が強いバラなのだろう、
十七年の間に
玄関先を覆い尽くすまでに育ってしまった。
Sは大阪の学校に通っている。
来年の春には卒業する。
昨夜、そのSから電話がかかってきた。
卒業旅行でアメリカに行くことになったらしい。
私もそうだったが、
こいつは金が入用の時にしか連絡してこない。
「そうかぁ、アメリカに行くのか!?」、
「お金もたくさん要るのだろうね?!」、
「アルバイトで旅費を貯めるのは大変だねぇ」と、先手を打つ。
Sはコンビニのサンクスでアルバイトをしているはず。
「そんな意地悪を言わないで・・・」と言うから、
「お父さん(私のこと)が大笑いするような小咄を三つ考えてこい」、
「お父さんを笑わせることができたら、旅費のことは考える」と、
そう答えておいた。
さて、どんな小咄で笑わせてくれるだろうか。
ま、大笑いできなくても、
結果的には小遣いを手渡すことになるのだろうが・・・。