■ 眼鏡考

「はてな眼鏡出し」。
所持する眼鏡の画像を公開しようという
はてなのダイアリー・クラブがあることを知る。
若い頃、私はある眼鏡メーカーに勤務していた。
今から三十三年ほど前のこと。
会社の名前は「ＥＹＥＶＡＮ／アイヴァン」。
石津健介さんが社長でいらっしゃった「VAN JACKET」、
そのヴァン・ジャケットと
ある眼鏡メーカーがスクラムを組んだ会社だった。
「ＴＰＯに合わせて眼鏡を替えよう」
「服を着替えるように、眼鏡も着替えよう」、
それがアイヴァンのコンセプトだった。
当時、ＴＰＯに合わせて服を着替えるという習慣は定着しつつあったが、
眼鏡だけはファッションから取り残されたままであった。
スポーツを楽しむ時はスポーツ・ウェア、
会社に勤務する時はスーツ、
遊びに出かける時はカジュアル・ウェア。
シーンに合わせて服や靴は変わっても、眼鏡だけは変わらなかった。
メタル・フレームの眼鏡をかけていると、
「キザ」とか「金貸しのよう」と言われたものだった。
そんな時代だった・・・。
「999，9／フォア・ナインズ」「OLIVER PEOPLES」「MIKLI」、
個人の作家としては「小竹長兵衛」や「井戸多美男」・・・。
現代はお洒落な眼鏡メーカーが群雄割拠する時代。
三十三年前、
アイヴァンはセンセーショナルなデビューを果たした。
その眼鏡のデザインは素晴らしいものであった。
しかし、時代が少し早過ぎた。
時代がついてこなかったのだ・・・・。