■ 小人の靴屋
八月十四日から、
博多で「現代からくり人形師」の三人展が開かれる。
九州の巨匠と呼ばれるHさん、
名古屋が世界に誇る奇人のBさん、
そして私の、還暦を間近にひかえた爺さんの三人展。
展覧会の搬入日は十三日。
遅くとも十一日には梱包して発送しなければならない。
まだ作っていない作品が三つほどある。
ブログなど書いている場合ではないのだが・・・。
ま、なんとかなるだろう。
まだ一週間もあるではないか。
二日に一つ作れば間に合うではないか・・・。
そのうちきっと、
一日に一つ作れば間に合うではないか・・・ということになるのだろうなぁ。
あるところに貧乏な靴屋のお爺さんとお婆さんが住んでいました。
ある夜、一足分の皮を置いて寝たところ、
翌朝には立派な一足の靴が出来上がっていました。
お爺さんとお婆さんはその靴を売って、
二足分の皮を買うことができました。
その二足分の皮を置いて寝たところ、
翌朝には立派な靴が二足出来上がっていました。
お爺さんとお婆さんはその靴を売って、
四足分の靴の皮を買うことができました・・・。
小人が靴を作ってくれていたという、
子どもの時代に読み聞かされた「小人の靴屋」の物語。
あぁ、どこかに「小人のからくり人形師」はいないのだろうか・・・。
今晩、試しにからくり人形一体分の材木を置いてみよう。
ついでに図面もいっしょに置いておこう。
そうだ!
スタッフのIとTに「小人の靴屋」の話を聞かせてやろう。
きっと感激するに違いない。
彼らに小人の着ぐるみを用意してやろう・・・。