■ in the heat of the night

aquio2005-08-08

私の部屋にはエアコンがない。
機械から吐き出される冷気が好きになれない。
昨夜は寝苦しい夜だった。
遠くから祭りの喧騒が聞こえてくる。
じっとしていても汗が噴き出してくる。
車を走らせ、
馴染みのカフェ「QUICK SILVER」に出かけた。
この店は
ビンテージ・カーのレストアも手がけている。
店の横にはレストア待ちのアメリカ車が並び、
店内にはいつも
一九六十〜七十年代に流行ったオールディーズが流れている。
私たちの世代にとって懐かしい曲が、
若者にとっては新鮮なメロディに聴こえるのだろう、
アメリカン・グラフィティを気取った若い恋人たちで店はいっぱいであった。
「サドル・シューズ」に「ポニー・テール」、
そんな装いの女の子が一人でもいれば申し分ないのだが・・・。
コーヒーを飲んでいて、
ふと、四十年ほど前に観た映画、「夜の大捜査線」のことを思い出す。
主演は「シドニー・ポアチエ」と「ロッド・スタイガー」、
主題曲「in the heat of the night」を歌っていたのは「レイ・チャールス」だった。
映画が上映された当時、日本は高度経済成長期の真っ只中にあった。
大阪の「釜が崎」や東京の「山谷」に日雇い労働者が溢れはじめた時代。
高度経済成長期にあってさえ、
この二つの地域では労働者の餓死や凍死が日常のようにあった・・・。
岡林信康」が「山谷ブルース」を歌ったのも、そんな時代だった。
この二つの地域では労働者による大きな暴動が何度も起きた。
暴動はいつも暑く寝苦しい夜に起きた。
暴動のきっかけはいつも些細な出来事であった。
夜の熱気の中で、人は凶暴になることがある・・・。
蒸し暑い夜にこそ、人はその行動や言動に気をつけなければならない。
そう、思う。