■ in the heat of the night/その2
午後十時半、博多駅に着く。
岡山から博多に向かう新幹線は満席であった。
ホテルにチェックインした後、
近くのコンビニに出かける。
ティーシャツを二枚、黒いソックスを二足、
ボクサー・タイプのトランクスを二枚購入する。
替えの下着をカバンの中に入れ忘れていたのだ。
どうも近頃もの忘れの度が過ぎるような気がする。
「数」というものの概念が怪しくなってきたら、
それは「アルツハイマー」の始まりであるらしい。
気をつけなければ・・・。
ま、気をつけていればどうにかなるというものでもないが・・・。
コンビニの前にはバイク自慢の若者たちがたむろしていた。
金のかかっていそうなバイクがズラリと並んでいる。
彼らの許可をとり、並んだバイクを写真に収める。
夏の夜の都会のワン・シーン。
自分は何をしたらいいのか分からない。
自分に何ができるのかも分からない。
先が見えない。
しかし、有り余るほどのエネルギーだけはある。
余分なエネルギーの捨て場所が見つからない。
酒を飲んで憂さを晴らすのもいいし、
友人たちと議論に熱中するのもいい。
バイクで夜の街を疾走するのもよし。
殴り合いの喧嘩をするのもよし・・・。
男の誰もがそんな時代を経験して大人になっていく・・・。
若者には「洋々」の未来があり、
オジサンには「ヨイヨイ」の未来がある・・・。
若さを羨ましいとは思うが、
あの恥じることの多い頃には二度と戻りたくはない。
若者が若者でいられる時間もそうは長くない・・・。