■ 長期社会体験研修制度

aquio2005-08-18

Fさんがアトリエに来られるようになって一週間が経つ。
Fさんは西宮のある小学校の先生でいらっしゃる。
長期社会体験研修制度を利用して、
今月の十一日から私のアトリエで働くことになった。
期間は二ヶ月。
先日の日記にも書いたが、
私のアトリエには
「士・農・工・商・アンコ・弟子」という身分制度がある。
アンコは息子が飼っているメス猫の名前。
最下層の身分で喘いでいた弟子のSは
「奴隷がやって来る」と喜んでいたが、
体格のいいFさんを前にすると、
どちらが奴隷であるか分からない・・・。
「からくり人形を作って生活したい」と、
Fさんが私のアトリエを訪ねていらっしゃったのはいつのことだったろうか。
「木工の経験はおありですか?」
「デザインを勉強したことは?」
「とても厳しい仕事ですよ!」
「学校の先生を続けられるほうが生活は楽ではないですか!?」と、
一度はお断りしたのだが、
からくり人形師への夢断ちがたく、
とうとうアトリエにおしかけていらっしゃった。
研修期間は二ヶ月。
はてさてどのような結論が出るのだろうか・・・。
「奥さんにご相談されましたか?」と訊くと、
「気でも狂ったのか!?」と言われたらしい。
ま、たしかに、ロマンだけでは飯は食えないが、
飯を食うだけが人生でもない・・・・。