■ ニューそぼく谷ヘルスセンター/その2

aquio2005-08-28

一九六十年頃、
まだテレビが白黒であった時代、
「透明人間」という番組が放映されていた。
あの「宇宙戦争」を著した「H.G WELLS」原作による
「INVISIBLE MAN」をテレビ化した番組。
その番組の中で、
人形劇のシーンがあったことを覚えている。
酒場で酔客たちの口笛や拍手、音楽に合わせて
肉感的な人形が一枚ずつ衣装を脱いでいく・・・、
いわゆるストリップ・ティーズの人形劇だったが、
不思議なことに、少しも嫌らしさは感じなかった。
「そうかぁ、外国の大人たちはこんなことをして楽しんでいるんだぁ」
「はやく大人になりたいなぁ」と、
まだ少年であった私には羨ましく感じられたものであった。
昔、神戸の有馬温泉には一軒のストリップ劇場があった。
その劇場はとっくの昔につぶれてしまっているが、
建物はまだ取り壊されもせずに残っており、
近辺は色街であったことの名残を色濃く残している。
今、その大人のためのストリップ劇場であった建物を、
大人のための人形劇場に生まれ変わらせようという動きがある。
子どもの頃に観た、あの透明人間のシーンを再現できるチャンス。
しかし、はたして
常設の人形劇場として運営は可能なのだろうか?
イニシャル・コストはどうする?
ランニング・コストは?
観客の反応は???
希望だけでは物事は長続きしない・・・。
旧・ストリップ劇場における「ニューそぼく谷ヘルスセンター」の公演は、
その実験でもあったのだ。
うまく話が進みそうな予感がする・・・。
観客の反応も上々であった。
ちなみに、飯室さんに伺ったところによると、
「お種婆さん」の本名は「綾小路種」というのだそうである。
彼女には人に言えない哀しい過去があるらしいが、
顔にはそれらを乗り越えてきた逞しさが現れている・・・。