■ 目途

aquio2005-11-06

いやはや大変だった・・・・。
安来市から制作依頼を受けたからくり人形だったが、
こんなに梃摺った仕事は始めてであった。
大きな舞台の上で六体の人形が動くという仕掛けだが、
メインの人形がどうしても動いてくれない。
理屈では軽々と動いてくれるはずなのだが・・・。
設計図面を再度見直す。
どの角度から検討しても、その理由が見つからない。
人形を再度見直す。
しかし、人形は図面どおりに仕上がっている。
どこにも間違いはない・・・・。
しかし、どこかに間違いがあるはず。
間違いがあるから動かないのだ。
しかし、その間違いがどうしても見つからない・・・・。
思考の堂堂巡りが始まる。
納期が迫ってきている。
こうなったら、新しい駆動システムを考えた方が良さそうな気がする。
図面を破り捨て、気分転換にドライブに出かける。
国道沿いの喫茶店で漫画本を読んでいるうち、
頭の中の回路が「パチッ」と音をたてて繋がった。
アトリエに戻り、ダミーの制作に取り掛かる。
実に簡単な仕組み。
ダミーは実に滑らかに動いてくれた・・・。
ダミーを基に設計図面を書き直す。
これで完成の目途がたった。
やれやれ・・・・である。
煎じ詰めれば実に単純で簡単であることを、
わざわざ複雑にしてしまった・・・。
ま、日常の生活でもよくあることではある。
間違いに気付いたら、間違えた場所まで戻って考え直せばいいのだ。
悩みながらアクセルを踏み続けるのは、
問題をより一層深刻なものにしてしまう・・・。