■ 樹皮喰い

aquio2005-11-27

夕方の薄暗くなる時分のことを、
昔は「逢魔が時/おうまがとき」と言った。
「大禍の時/おおまがのとき」が変化した言葉。
夕方は人間の眼が明順応から暗順応に切り替わる時。
人間の眼が明から暗に順応するには時間がかかる。
交通事故もこの時間帯に多発するらしい。
大禍に遭遇する時分のことを逢魔が時と言ったのだ。
私の住む村では、
この時間帯は「鹿」に出会う時分でもある。
K君は鹿と正面衝突して車を大破させてしまった。
F君は飛び出した鹿を避けようとして岩に激突。
新車のアウディをお釈迦にしてしまった・・・。
一昨年、
右横から飛び出した鹿を避けようとして、
私も車をガードレールにぶつけて大破させてしまったことがある。
「大禍の時」とはよく言ったものだと思う。
昨夜も道路を横切っていく鹿の群れを見た。
ハーレムを形成しているのだろうか、
一頭の雄鹿の後ろに五頭の雌鹿がつき従っていた。
いやはやなんとも羨ましい。
雄鹿の角の立派なことといったら・・・。
今朝、庭の合歓の木の幹が齧られていることに気付く・・・。
六本の合歓の木。
鹿による「樹皮喰い」が始まったのだ。
山に食い物が無くなったのだろうか。
笹の葉も食い尽くしてしまったのだろうか・・・。
樹皮喰いの被害にあった植物は枯れるしかない。
私の家は山の中の一軒屋。
もともとは鹿や熊の生息地であった場所。
そんな場所に家を建てたのだから、
文句を言われる筋合いはないと、鹿もそう思っているに違いない。
違いはないが、
育てた合歓の木が枯れていってしまうのは、なんとも辛い・・・。