■ もみじ

aquio2005-11-28

「赤」という文字は
「大」と「火」の二つの文字から成り立っている。
大きく燃えあがる火の色が「赤」なのだ。
散歩の途中、
燃え盛る火のように赤く紅葉した楓の大木に出会う。
楓の横にはさらに大きな銀杏の木。
赤い葉の上に黄色い葉がハラハラと落ちている・・・。
高校生の頃、
「紅/くれない」という言葉の語源は
「呉の藍/くれのあい」だと教えてもらった覚えがある。
「藍」は藍色の藍を意味すると同時に、
「染料」全般を意味する言葉だったのだろう。
「呉」は三国志の「魏・呉・蜀」の「呉」。
「紅」は「呉の藍」、
すなわち「呉の国から渡来した染料」のことを意味していた。
呉の国から渡来した赤い染料・・・。
「紅花/べにばな」のことではなかったかと推測される。
身体が紅に染まってしまいそうなほどの紅・・・。
道行く人々もしばし我を忘れて佇んでいた。
魅入られてしまったのだ・・・。
桜の木の下には女の遺骸が埋まっているという。
女の血を吸って桜は艶やかになるというのだ。
確かに、桜の花には艶っぽい女のような妖しさがある。
しかし、この楓の美しさをなんと譬えたらいいのだろう。
美しくもあるが、
儚さと、ある種の怖さを含んでいるようにも感じられる。
この楓の根元には誰が埋まっているのだろう・・・。
何が埋まっていると譬えたらいいのだろう・・・。
美しさと儚さと怖さ・・・・。
恋慕に狂った「清姫」のような女の遺骸かもしれない。