■ 風邪

aquio2005-12-10

風邪をひいてしまった・・・。
忘年会を終えて自宅に戻ったのが午前十二時ころ。
家人が沸かしておいてくれた風呂に入る。
人間の「肺」は浮き袋の役目をする。
息を吸い込んだ時、
肺の中には空気が充満して身体は浮力を得て浮かぶ。
息を吐き出した時、浮力は減少して身体は沈む。
湯船に浸かりながら、
「おぉ、なるほどなるほど」と、
息を吸ったり吐いたりして遊んでいるうち、
うっかり眠ってしまっていた・・・。
目が覚めた時、
湯はすっかり冷めて水のようになっていた。
手の平の皮膚も皺々になっていた。
熱いシャワー浴びて冷えた身体を暖めるが、
時すでに遅し・・・・。
寝室から女房が「長いお風呂やったねぇ」と声をかけてくる。
「俺のベッドを暖めておいてくれたか?」と問うと、
「なんで?」と言う。
「お前は木下藤吉郎の話を知らんのか?」
「なんの話?」
「寒い冬の朝、藤吉郎は主君である信長の草履を懐に入れて暖めておいたって話」
「ふ〜ん、貴方が主君の信長で私が部下の藤吉郎ってこと?」
「いや、そういう意味ではなくって・・・」
「どういう意味?」
「だからさ、そういう心遣いができる人間が出世できるっていう話なんだけどさ」
「あっそう、私は出世なんかしたくないもんね」
「あのね、俺は身体が冷えてるんだよ」
「お風呂に入ってきたんでしょ?」
「だからさ、これこれでね・・・・」
「はいはい、いい子やから早く寝なさいね」
とりつく島もない・・・・。
風呂も冷たかったが、家庭の中でも冷たくあしらわれている。
今朝から鼻がムズムズしてしようがない。
うっかり下を向くと鼻水が垂れる。
今朝は職員たちの顔色も優れない。
「頭がガンガンする」と言う。
「風邪をひいたのか?」と訊くと、
「いえ、二日酔いです」と言いやがる・・・。