■ 墓

aquio2005-12-11

コンビニでビールを買う。
「KIRIN GOLDEN HOP」。
店員に訊いたところによるとキリンの新製品とか。
アパートに帰ると、
扉の郵便受けは様々なDMで溢れていた。
炬燵のスイッチを入れて「GOLDEN HOP」を飲む。
苦味が利いていてたいへんよろしい。
ホップの香りも素晴らしい。
久しぶりに本物のビールに出会ったような気がする。
「GOLDEN HOP」を飲みながらDMにザッと目を通す。
その中に「墓石屋」のDMがあった。
「墓相を誤るとご先祖様の祟りがあるぞ!」と印刷されていた。
私もいつかは死ぬ運命にある。
私が死んだ後、
子孫たちにとって私はいわゆるご先祖様になる。
あの世とやらがあればの話だが、
墓の相が悪いというだけで誰が子孫に祟ったりするものか。
何があっても、親は愛する自分の子どもを怨んだりはしない。
親は子どもの前に化けて出たりはしない。
親は子どもの幸福を願うものなのだ。
ご先祖様は子孫の繁栄を願う存在ではないのか。
心霊商法の一種だが、
こんなチャチな手口にひっかかる人も多いのだろうなぁ・・・。
しかし、
この世で善行を積んだ人間は天国に昇る。
悪行の限りを尽くした人間は地獄に堕ちる。
はたしてそうなんだろうか。
我々が描く天国のイメージはいつもぼやけている。
涼しげな風が吹いている世界。
美しい花が咲いている世界。
妙なる音楽がいつも流れている世界。
もしそうであれば、
天国は退屈極まりない世界のように思える。
それに比べ、地獄のイメージは刺激にあふれている。
「地獄に仏」というが、
地獄にこそ「仏」の存在が必要なのではないだろうか。
天国に「仏」はいらないのではないだろうか。
あの世とやらがあればの話だが、
あの世では人は皆救われる・・・と、そう思う。
そうでなければ、人間なんかやってられない。