■ 新潟

aquio2005-12-22

昨日から新潟の柏崎に来ている。
昨日のフライトはまことに快適であった。
昨夜は駅前の居酒屋で深夜の一時まで飲んでいた。
今朝は七時に目覚める。
ベッドから立ち上がると、
身体がユラユラと左右に揺れるではないか・・・。
「しまった、さては飲みすぎたか」と思ったが、
身体も意識もしっかりしている。
しかし、身体がユラユラと左右に揺れる・・・。
ホテルが揺れていたのだ。
「オッ、さては姉歯が設計したホテルであったか!?」
と、馬鹿な独り言を言いながら窓のカーテンを開けてみると、
外は百メートル先の駅舎が見えないほどの猛吹雪であった。
強風に煽られてホテルが揺れていたのだ・・・。
柔構造の建築物は揺れることで衝撃を吸収するらしいが、
次第に気分が悪くなってくる。
ホテルの部屋の中で船酔いを体験する。
吹雪の中を駅舎に向かって歩く。
駅舎に着いた時には雪まみれになっていた。
架線が切れたとかで、在来線の列車はすべて止まっていた。
回復の見込みはたっていないという情報・・・。
しかし、長岡から東京に向かう新幹線は動いているという。
柏崎から長岡までタクシーで移動することにした。
時速三十キロで走るタクシーが左右に煽られるほどの強風・・・。
長岡駅で東京までのチケットを購入する。
改札をくぐり、プラットフォームに立った瞬間、
「強風のため架線が切れた」
「回復の見込みはたっていない」とのアナウンスが流れる。
新幹線が遅れることで、親の死に目に会えない人もいるかも知れない。
手形の決済ができない人もいるかも知れない・・・。
人はそれぞれの人生を抱えて旅をする。
この吹雪の中、架線の保守と修理に関わる人々のことを思う。
駅舎の喫茶店で二時間ほど費やす。
新幹線が動き始めたのは定刻より二時間十分ほど後であった。
東京には午後四時半ころに到着。
移動だけで終わった一日だった。
予約してあった銀座の旅館「吉水」に向かう。
最上階の風呂で冷えた身体を温める。
ま、人生にはいろんなことが起きる・・・・。