■ 光クラブ

aquio2006-01-24

その昔、父から聞いた話。
昭和二十三年頃、
東京に「光クラブ」という名の金融会社があった。
社長は現役の東大生であった山崎某。
山崎は出資者から資金を集め、
その金を月利30%という高利で貸していた。
出資者には月利15%程度の配当を約束していたという。
高利貸しといえば高利貸しだが、
商材となるものが「金」であれ「物」であれ、
安く仕入れて高く売るという行為だけをみれば、
商売の理には適っている・・・。
出資者から資金を集め、それを運用して利益を得る。
そして、出資者には配当を約束する・・・。
今でいうところの「ファンド」とどこがどう違うのだろうか。
どこにも違いは無い。
中野に事務所を開いて数ヵ月後、「光クラブ」は銀座に進出を果たす。
しかし、その当時の法定金利の上限は月利9%程度であったらしい。
光クラブ」は銀行法違反で摘発されることになるが、
山崎は検察の追及をことごとく論破したという。
相当に頭のいい男だったのだろう。
山崎が逮捕されたことを聞きつけた出資者たちは
光クラブ」へ出資金の返却を迫るが、
山崎の自殺でこの事件は幕を閉じてしまう・・・。
昨日、「ライブドア」の社長の堀江某が逮捕された。
実態の無いモノを転がし続けたのがバブルの時代であった。
日本はバブルの後遺症に苦しんだのではなかったか。
堀江の逮捕劇は、
バブル経済が健在であったことを証明したように思える。
「勝ち組」と「負け組」・・・。
人間を金の有る無しで区別する言い方。
つくずく変な時代だと思うが、
人間の歴史を振り返ってみた時、
「変」でなかった時代は一度として無かったようにも思える・・・。