■ バレンタイン

aquio2006-01-27

母が数日前から私のアパートで寝泊りをしている。
昨夜、母が二枚の板チョコをくれた。
「明治」の「ミルク・チョコレート」と
「ブラック・チョコレート」の二枚。
母に言わせると、
チョコレートは「明治」に限るのだそうである。
「LA MAISON DU CHOCOLAT」や「GODIVA」、
「MEDEL」のチョコレートよりも美味しいのだそうである。
愛の告白はなかったが、
ちょっと早めのバレンタイン・チョコであるらしい。
マーケットの紙袋を覗いてみると、
包装された板チョコが十枚ほど入っていた。
いったい誰にプレゼントするのだろうか・・・。
母は大正十四年の生まれ。
今年の五月で八十一歳になるはず。
身体も元気だが、いたって口も元気。
一度くらい口を病んでくれないものかと思う・・・。
元気な婆さんではあるが、
元気でいてくれるのはとても有り難いし、嬉しい。
母が寝てしまったあと、
板チョコを齧りながらウイスキーを飲む。
アンデルセン」の「絵のない絵本」を読み返す。
先ほどまでの騒がしさが嘘のようである。
「シーン」という音がうるさいほどの静けさ。
この静けさがなんとも有り難い・・・。
「お菓子の好きな巴里娘
 二人そろえばいそいそと
 角の菓子屋へボンジュール」・・・。
西條八十」の「お菓子と娘」の歌詞をふいに思い出す。
歌っていたのは「中原美沙緒」だったっけ・・・。