■ 玉筋魚/いかなご

aquio2006-02-16

「玉筋魚/いかなご」を食べる。
オーブン・トースターにアルミ・フォイルを敷き、
軽く焦げ目がつくまで「いかなご」を焼く。
生姜醤油に酢を加えたものを用意しておく。
焼きあがった「いかなご」をそれに漬す。
なんて美味しいのだろうか。
瀬戸内の「いかなご」は特に美味いように思える。
いかなご」だけで飯が軽く二杯は食える。
美味い「いかなご」を食べているから、
明石の「蛸」も「鯛」も美味いのだと、
そんな話を祖母から聞いた憶えがある。
私は兵庫県明石市に生まれた。
生まれた場所は「魚の棚」市場の一本南側の筋。
市場の喧騒の中で幼年期を過ごした・・・。
三輪車に乗ってはお気に入りの蒲鉾屋に出かけ、
店頭の竹輪をムシャムシャと食べていたらしい。
三輪車に乗ってはお気に入りの喫茶店に出かけ、
ショートケーキをムシャムシャと食べていたらしい。
母がいつも財布を持って私の後を追いかけていたらしい。
そんな話を祖母から聞かされた憶えがある。
コーヒーが好きであるというのも、
幼年期になんらかの刷り込みがあったのかもしれない。
三つ子の魂百まで・・・なのだろう。
「鶯」や「桜」と同じ、「いかなご」は春の季語。
いかなご」が魚屋の店頭に並ぶようになると、
冬の終わりも間近・・・。
福島県裏磐梯に二年、
長野県の白馬村に十三年、
そして、岡山県のH村に十七年。
私は雪深い山里に三十二年間も住んできた。
雪国に住む人間にとって、春はやはり特別な季節。
心が弾む。
もうすぐ「いかなごの釘煮」が出回る季節。
待ち遠しいものである。