■ 上手と下手

aquio2006-03-06

下手になろうとして腕を磨く職人はいない。
皆、上手になりたいと願って精進を重ねる。
精進を重ねるうち、
自分の腕が上達していることに気付く時がある。
こうなればしめたもので、
ますますその腕は上達していくことになる。
苦しいはずの修練が楽しいものに変化していくのだ。
上手になったと実感できるようになる。
しかしその内、
自分が上手なのか下手なのか分からなくなってしまう。
そんな時が必ずやってくる。
そして、上手になればなるほど、
上には上があることを知る・・・・。
上手が上手を知るようになるのだ。
行く手に大きな壁が立ちはだかる。
スランプに陥ってしまう・・・。
「いったいどうすればいいのか!?」、
それすら分からなくなってしまう時が必ず来る。
この壁を乗り越えるのがまた一苦労なのだが、
越えたら越えたで、
そこにはまた次の壁が待ち構えている。
どこまでもこのことの繰り返しが続く・・・。
ただ、
言葉ではうまく表現できないが、
「上手」を極めた職人が「下手」を目指すことがある。
上手になるために捨ててきたものの大きさに気付くことがある。
この時の苦悩は・・・とても大きい。
求めなくても、「問題」は常に自分の中から湧き上がってくる。
そして、「解答」は常に自分で見つけ出していくしなかい。
学校は問題も解答も用意してはくれない。