■ 旅行鞄

aquio2006-03-28

四月八日、
ザイフェンの玩具博物館において
私のワーク・ショップが予定されている。
時間は約三時間。
そのための資料や材料を持参しなければならない。
これがけっこう嵩張る。
それらは旅行鞄に入れていくつもりだが、
それだけで相当な量になる。
下着類や靴下は現地で調達するしかないだろう・・・。
ナイフ類やノコギリは旅行鞄に入るとして、
絵の具やスケッチ・ブック、
絵筆や設計図面・・・を入れるスペースがどこにも無い。
Oさんと別れた後、
三宮の東急ハンズに出かける。
ドイツに持っていく鞄が欲しかったのだ。
「B4サイズのスケッチ・ブックが入る大きさであること」
「直径十センチ、深さ十センチのジェッソが六つ入る大きさがあること」
「絵の具のチューブが三十本ほど入る深さがあること」
「三十本の絵筆が立てた状態で入るポケットがあること」
「防水されていること」・・・。
いろいろな条件を満たした鞄がなかなか見つからない。
一階の旅行用品売り場をのぞく。
目的にピタリと合ったキャンバス地の鞄を見つけた。
絵筆も絵の具もスケッチ・ブックも、これならすべてがピタリと収まる。
しかし、なかなかにいい値がする・・・。
「一回だけの旅行に使うには高すぎるよなぁ・・・」
「前に買った鞄でなんとか代用してみよう」と、
購入を諦めて馴染みの喫茶店に向かう。
コーヒーを飲んでいるうち、
「欲しいと思った時に買っておかなくていいのか?」
「思い直して戻ったら売れてしまっていたってこと、あるよな!?」
「過去にもそんなことが何度かあったよな!?」と、
頭の中で天使と悪魔が口論を始める。
とうとう悪魔が勝利を収めてしまった・・・。