■ 沈黙

aquio2006-05-16

「ロバート・B・パーカー」の「沈黙」を読む。
「スペンサー・シリーズ」の二十六作目。
昨夜、寝床に寝転がりながら、
四百ページ余の約半分を一気に読んでしまった。
その「沈黙」の中の一節。
リー・ファレルと私は、
ブロード通りの<リメリック>というバーで
ビールを飲んでいた。
「ピンク・レイディを注文するものと思っていたよ」
私が言った。
「ノーマルに見せかけてるんだ」ファレルが言った。
「成功していないな」
「銃を上着の外に着けていれば、成功するかもしれない」
「役には立つだろう。カラー・コオーディネイトした銃でなければ」
「支給品はさえない。おれの勤務外の拳銃はシャルトルーズだ」
「すごい」・・・・(以上原文のまま)
文中の「私」というのは、この小説の主人公である「スペンサー」。
「リー・ファレル」というのは、自分が「ゲイ」であることを公表している警察官。
「ピンク・レイディを注文・・・」という文面から推測するに、
どうやら「リー・ファレル」は「女役」であるらしい。
男役の男と一緒に酒を飲む時、
「ファレル」は女のように「ピンク・レイディ」を注文するのではないか・・・。
それを皮肉った「スペンサー」の言葉だが、
「ゲイ」であることを公表している「ファレル」には通じない。
「勤務外の拳銃はシャルトルーズだ」・・・。
「シャルトルーズ」は清涼感のある薬草リキュール。
そのアルコール度数はウイスキーよりも高く、五十五度ほどもある。
とてもいい香りがする。
「キスの前に飲むといい」と、ものの本には書かれている。
なるほど、「ゲイ」の女役も「シャルトルーズ」を飲むのだ!
そうであるなら、
間違ってもバーで「シャルトルーズ」は注文しない方がいい。
間違われる可能性がある・・・。
そして、「シャルトルーズ」を飲む男には近づかないに限る。
しかし、「シャルトルーズ」を飲む女性とはお近づきになりたいものである・・・。