■ 色気

aquio2006-06-15

昔、「血と薔薇」という本があった。
編集者は、あの「澁澤龍彦」。
編集のコンセプトは
「エロティシズムと残酷の研究」であった。
創刊号が出版されたのは私が二十二歳のころ、
今から三十八年ほど前のことであったと記憶している。
創刊号では、
あの「三島由紀夫」の半裸の写真が掲載されていた。
写真のタイトルは「聖セバスチャンの殉教」だったか・・・。
カメラマンは、あの「篠山紀信」だった。
吉行淳之介」もエッセーを寄せていたように思う。
創刊二号では、
貞操帯をつけた女の下半身の写真が表紙を飾っていた。
三号では「ドラキュラ」の特集が組まれていたと記憶している。
ドキドキしながら読んだことを懐かしく思い出す。
「性は奥深い」、それが当時の私の感想であった・・・。
若くスタイルのいい女性を見かけた場合、
「スタイルのいい人だな」、ということは感じる。
しかし、それ以上のことは何も感じない歳になった・・・。
若い女性には「色気」を感じない。
「エロティシズム」をまったく感じないのだ。
スタイルのいい若い女性・・・。
それは、私にとって「金髪碧眼の女」とほとんど差異がない。
この歳になると、欧米の女性にエロティシズムを感じない。
「回春を求めるなら同胞のポルノを見ろ」、と
そう言ったのは、あの「開高健」だった。
この歳になると、その言葉の意味がよく解る・・・。
自宅から持ち帰った百合を見ながら酒を飲む。
その昔、百合は「純潔」を象徴する時代があった。
絵画に描かれる聖母マリアも白百合の花を持つ・・・。
しかし、
百合は「純潔」を象徴するとともに「女性器」も象徴していた。
なるほど、百合はなかなかにエロティックな花ではある。