■ KONTAX 167MT

aquio2006-06-25

息子が送り返してきた「CONTAX」を手入れする。
このカメラを入手したのは二十年ほど前のこと。
当時、私は長野県の白馬村に住んでいた。
その私の家に、
Tさんが遊びにいらっしゃったことがあった。
Tさんは、あの「秋山庄太郎」さんの旅行仲間だった。
Tさんが我が家にいらっしゃった時、
私はテーブルの上にカメラのカタログを広げていた。
「なに、カメラを買うの?」
「えぇ、PENTAXの調子が悪いものですから・・・」
「なら、使わなくなったレンズをあげようか」
「嬉しいなぁ、本当ですかぁ?」
「レンズに合わせてボディを買えばいいじゃんか!」
「有り難うございます」、
とまぁ、そんな会話を交わしたことを覚えているが、
Tさんが送ってくださったレンズは
28mmと50mmと135mmの三本だった。
三本とも「Carl Zeiss」の「T*/ティースター」レンズ・・・。
当時の私にとって、「Carl Zeiss T*」のレンズは高嶺の花であった。
とても高価なレンズであった。
それをポンと三本も下さったのだった。
仕方がないから、レンズに合わせてボディを買った。
とても高価なボディであった。
今朝、久しぶりにTさんに電話する。
Tさんは八十五歳になられていた・・・。
久しぶりに手にした「CONTAX」はズシリと重い。
シャッター音の響きがなんとも心地よい。
被写体を「撮った!」という実感がある。
カメラはやはりこうでなくっちゃ。
デジタル・カメラが主流になってしまった現在、
銀塩カメラの将来はどうなってしまうのだろうか・・・。
たまには「CONTAX」をぶら下げて街に出てみよう。