■ 霧点

aquio2006-06-30

空気中の水分が凝結して霧になる。
その温度のことを「霧点」と呼んでいる。
今朝は六時にたたき起こされる。
目覚まし時計が鳴り出す前に起きるのが常だが、
自宅にいると、ついつい油断をしてしまう。
うっかり寝過ごしてしまうところであった。
午前七時、自宅から神戸の職場に向けて出発する。
中国時自動車道は深い霧に包まれていた。
テレビがまだ白黒の画面であった時代、
「アウター・リミッツ」とか「トワイライト・ゾーン」、
「夜にも不思議な物語」といったSF番組があった。
常識では計り知ることのできない不思議の世界・・・。
私のSF好きはこの頃から始まっている。
多分に、私は「夢想」の世界で遊ぶのが好きな子どもだったように思う。
多分、それはモノや金が無かったからなんだろう・・・。
モノや金が無かった時代であったから、
私だけでなく、子どもたちは「夢想」の世界で遊ばざるを得なかった。
そう思う・・・。
「夢想」は「ファンタジー」と言い換えてもいいだろう。
そんな世界で遊んでいた経験があるからか、
霧の中にいると、
違う世界に連れていかれてしまいそうな錯覚に陥る。
いつも、そんな感じがしてならない。
この歳になっても、
「霧の向こうには別の世界がある」ような気がしてならない。
緩やかなアップ・ダウンを繰り返しながら、
道は徐々にその標高を下げていく。
標高が下がるとともに、霧は少しずつ晴れていってしまう。
霧が晴れるとともに、心は夢想の世界から現実の世界に戻っていく。
心にも「霧点」があればいいのに・・・。