■ あぁここもやっぱり
いつものガソリン・スタンドに出向き、
エンジン・オイルを交換する。
五千キロ走る毎にオイル交換を行うことにしているが、
こまめにオイルを交換することによって、
エンジンはいつも快調に回ってくれる。
注文していたタイヤも届いていた。
新品のタイヤに履き替え、
馴染みのカフェでコーヒーを飲み、
岡山の職場に向けて出発する。
オイルもタイヤも新しくなった。
シートの振動を通じて、車が喜んでいることが伝わってくる。
加西の手前あたりから雨が降り出した。
雨足は次第に激しさを増してくる。
速度を八十キロに落とし、雨の中のクルージングを楽しむ。
「やっとこれで おいらの旅も
終わったのかと思ったら いつものことではあるけれど
あぁここもやっぱり 土砂降りさ
心の中に傘をさして
裸足で歩いている 自分がみえる・・・ってか」などと、
「モップス」の歌を歌いながら走る。
過日、中国道のSEで「ザ・ピーナッツ」のカセット・テープを買った。
そのことを思い出し、
「ザ・ピーナッツ」のカセットをデッキに挿入する。
スピーカーから二人の懐かしい歌声が流れてくる。
「街はいつでも 後姿の幸せばかり ウナ・セラ・ディ・東京・・・」
「後姿の幸せばかり・・・」
歌詞がなんとも素晴らしい。
「作詞っていうものはこうでなくっちゃ」、などと独り言を喋りながら走る。
午前二時、自宅にたどり着く。
ここもやっぱり土砂降りであった。