■ 朋遠方より来るあり
有馬温泉の駅前ビルの内装工事を請け負ったらしく、
H村から、家具作家のM君とN君、
そしてM君の内弟子であるO君がやって来る。
「今日はどこに泊まるの?」と訊くと、
「まだ決めてない」、と言う。
「俺のアパートでよければ」と言うと、
「そのつもりで寝袋を持ってきた」、と言う。
コンビニでM君がビールとつまみを買ってくれる。
「一宿一飯の恩義」のつもりであるらしい。
男四人だけの酒盛り。
「学びて時にこれを習う・また説ばしからずや」
「朋遠方より来るあり・また楽しからずや」
「人知らずしていきどおらず・また君子ならずや」、である。
「知行合一」という。
得た知識を知識だけに終わらせず、
毎日の仕事を通じて腕を磨く。
そして、磨いた腕を我が物だけに終わらせず、
その知識や技を人に伝えていく・・・
なんと楽しいことであろうか。
家具とからくり人形。
お互いのジャンルは違っても、
「木工」という部分では共通する知識や技術は多い。
お互いが仕事を通じて得た知識や技術を伝授しあう・・・。
これまたなんと楽しいことであろうか。
M君とN君は弛まぬ努力を重ねてきた。
家具作家として、少しは名を知られる存在になった。
「目明き千人めくら千人」という。
世の中にはものの道理や価値がわかる人間が千人いる。
しかし、それがわからない人間も千人はいる・・・ということの例え。
彼らが作る家具のデザインと品質はとても高い。
その価値を理解できる人間も多いが、
しかし、その価値がわからない人間も、また多い・・・。
楽しいひと時であった。
久しぶりに雑魚寝をしてしまった。
今朝は背中が少し痛む・・・。