■ ドイツ出張・二日目

aquio2006-08-21

午後五時、
「GAHLENZ/ガーレンツ」における仕事を終え、
「ザイフェン」をぬけてチェコに向かう。
EUの一員になったはずのチェコだが、
未だに、国境を超えるには入国審査がいる。
社会主義国であった頃の名残が色濃く残っている。
国境を越えると、
そこにはベトナム人が経営するマーケットがあった。
煙草、水、衣料、ビール・・・。
すべてが驚くほど安い値段で売られていた。
価格は安いが、煙草は化学薬品の臭いがした・・・。
マーケットで「BUDWEISER/バドワイザー」を買う。
もともと「BUDWEISE/ブドヴァイゼ」はチェコの地名。
「BUDWEISE」に「ER」がついて「BUDWEISER」となる。
「BUDWEISER」の創業者は、もともとはチェコの出身であったらしい。
マーケットで買った「BUDWEISER」には「ORIGINAL」の文字が印刷されていた。
「本家本元のバドワイザー」という意味だが、
チェコの「BUDWEISER」はチェコ国内でしか販売できない。
しかし、アメリカの「BUDWEISER」はチェコでも販売できる、という。
アメリカとチェコ
双方の「BUDWEISER」社が裁判で争った末の結果だと聞いた。
マーケットの辺りは心が荒むような景色であった・・・。
ドイツが東西に分割されていた時代、
多くのベトナム人たちが移民として連れてこられたという。
ドイツ人よりも人件費が安いから、という、ただそれだけの理由・・・。
ベトナム人の移住は、
社会主義国であった東ドイツの国策でもあったのだ。
しかし、東西ドイツが統合された後、
彼らはその生活の場所を追われてしまった、という。
マーケットで働く若者たちは、
そのベトナム人たちの二世・三世であったのだ・・・。
彼らはドイツ語が喋れない。
充分な教育を受けられなかったのだ。
ドイツ語が喋れない彼らはドイツに住むことが許されない。
辺境の地に住むしかないのだ・・・。
彼らは反ドイツ的思想を持ち、
反ドイツ的行動にでることが多い、と聞く。
それはそうだろう。
人の感情とはそうしたものだろう・・・。
「光」には「光に照らされて映える景色」という意味もある。
「観光」とはそういう意味だが、
国の「影」を観る、そのことをいったい何と表現すればいいのだろうか・・・。