■ 日本晴れ

aquio2006-10-09

「金松/きんまつ」と呼ばれる木がある。
高野槙/こうやまき」のことであるが、
今朝、その「高野槙」について、
Aさんから興味深いお話を伺う。
そもそも「高野槙」は日本の特産種であり、
日本以外の地には一本も自生していないという。
高野山に自生する数が多いことから
高野槙」と呼ばれるようになったらしい。
脂臭い臭いはあるものの、
水湿によく耐える性質を持っているところから、
土木材として使われることがある。
日本においては、
貴人の棺はこの高野槙で作られるのが常であったが、
韓国の百済の王陵からも、
この「高野槙」で作られた木棺が出土したことがあったらしい・・・。
本葬の前に貴人の遺体を棺に納めて仮に祭る。
そのことを「もがり」と言うが、
世継ぎが決定しない場合など、
「もがり」の期間は数年にも及ぶことがあったという。
「もがり」は地位を継承する際に欠かせない儀式であったのだ。
先日、天皇家において男児が誕生し、
その子の御印が「高野槙」に決まったというニュースが流れた。
「もがり」の儀式に使用される木棺、
その木棺に使用される「高野槙」が御印に決まったということは、
皇位はこの子に継承させる、という、
皇室の大きな意思が働いたのではないか・・・。
それがAさんの推測であった。
今日は雲一つない青空が広がっている。
今日のような空を「日本晴れ」と言うのだろう。
青空を見上げながら、
「止事無い家に生まれなくてよかった」、とつくづく思う。