■ 総社

aquio2006-10-10

ある高校で、
「子どもの遊びと文化」についての講義を行う。
この高校との付き合いは十年ほどになるだろうか。
年に一度、二時間の講義を受け持ってきた。
今年も約六十名の女子高生を相手に講義を行ったが、
もう、来年からは「歳」を理由に止めようと思う。
生徒の質が年々低下してきている。
授業が成立しにくくなってきた。
熱心に私の話を聞こうとする生徒は多い。
しかし、それを邪魔する生徒は、もっと多い。
「熱心にノートをとっている生徒諸君がいる」
「その人たちの邪魔はしないで欲しい」
「お喋りを止めなさい」
「私の話が退屈なら、寝てもらって結構です」、と言うと、
本当に眠りだした奴が何人もいた。
なんなんだろう、このふて腐れた態度は・・・。
尻が見えるほどのミニ・スカートを穿き、
椅子の上に胡坐を組んで座る生徒もいた。
パンツが丸見えではないか。
汚いものを見てしまった・・・。
親が「恥じらい」ということを教えなかったのだろう。
高校三年生にして、すでに女牢の名主のような貫禄が具わっている。
ま、それらを一々気にしていたのでは講義にならない。
馬鹿は無視して講義を進める。
数年前から、「知的貧富差」という言葉が使われだした。
現代の日本において、金銭面における貧富差ではなく、
「知」の部分における貧富差が広がりつつあるという・・・。
講義を終えた後、近くの総社宮に参る。
そこには静謐な空間が広がっていた。
鰹木と千木の形状の美しいことといったら・・・。
汚いものを忘れるには、美しいものを見るに限る。