■ Kさん
「私は某チョコレート・メーカーに勤務している」
「その会社でパッケージのデザインを担当している」
「いろいろと検索していて、Nさんのことを知った」
Nさんというのは私のことである。
「私はしかけ絵本に興味がある」
「しかけ絵本を集めている」
「いつかはしかけ絵本の作家になりたい」
何年前になるのだろう、
そんなメールをKさんから突然いただいたことがあった。
何かのサイトで、
私がしかけ絵本のコレクターであることを知った、という。
昨年だったろうか、
吉祥寺で開いた私の個展に彼女は突然やって来てくれた。
今日、そのKさんが私の職場に突然やって来られる。
どうやら、Kさんは「突然」がお好きなようであるが、
私の職場で「しかけ絵本の世界展」が始まったのを知り、
有給休暇をとって東京から駆けつけてくださったらしい。
お話を伺うと、
パリにもしかけ絵本の専門店があるらしい。
そのことを知ったKさんは、矢も盾もたまらずパリに飛ばれたという。
筋金入りのコレクター、ではある。
前述したように、
Kさんはしかけ絵本の作家になることを希望していらっしゃるが、
そのためにはどうしたらいいか、というご相談であった。
「まずはこの道で生きていくと覚悟を決めること」
「覚悟が決まったら、今の生活を捨てること」、
とついつい偉そうなことを言ってしまったが、
退路を断たなければ前進はあり得ないものなのだ・・・。
そのKさんからお土産にチョコレートを頂戴する。
見た目も美しい、美味しいチョコレートであった。